◆今月のメッセージ 2015.09:
9月に入りましたが、猛暑のお疲れは出ていませんでしょうか。
パリは、すっかり秋らしい気候になりました。
もう秋風が吹き始めています。
フランスの子供たちは、学校が始まりましたが、2ヶ月たっぷり遊んだあとですから、パッと頭の切り替えをするのが大変そうです。
日本の子供たちは、学校からの夏休みの宿題が出ますし、塾に通って夏期講習などを受けていると、9月になりましても、生活のギャップは少ないと思いますが、バカンス中はのんびり過ごす事が伝統の国ですから、先生は、軌道に乗せるのに、大変そうですし、先生ご自身も大変だと思います。
子供が幼稚園の時は、親の送迎が厳守でしたので、初日、新しい先生にご挨拶に伺いましたところ、皆さん長々とお話していて、長い列になっていて順番が回ってきません。
それは、先生と親がバカンスをどう過ごしたか、を交互に話しあっているというか自慢しあっているので、話が止まりません。
これが元気の源になっているのかも知れませんが・・・
私のフランスのピアノ生徒も2ヶ月間お休みを取っていましたので、夏前の状態に戻すのに、たっぷり一ヶ月は掛かっていました。
これだけゆっくり休養を取れる国を羨ましいとは思いますが、ちょっと度が過ぎているかも…と思うこともありました。
我が子たちは、幸い音楽をしていましたので、ずっと遊びだけという生活ではありませんでしたが、2ヶ月間野放しよりも、逆に何かするものがあってよかったと思いました。
ですから、バカンスの旅行を1ヶ月間しましても、まだあと一ヶ月間挽回する時間があると思うと、何となく気持ちの上で安心感があります。
ただし、仏学校の4月から6月は、”魔の学期”ともいえるような日々ですから、バランスが悪すぎます。
急ピッチで進むので、それについていけない生徒は落ちこぼれてしますのです。
指導要領がないために、教科書は日本の教科書の数倍のページ数がありますため、残りのページがどうしても多くなってしまいます。
そこで、最後急ピッチで進み、6月に進級テストがありますが、そこで落第生が決まってしまいます。
それだからと言って、夏のバカンス中に塾や家庭教師をつけるわけでもなく、もう一年同じ学年をするのだから問題なし、と安心しているようにも思われました。
これが、”天才を待つ国”の特徴なのでしょう。
コンセルヴァトワールの進級テスト、ダンスなどの習い事の年に一度の発表会もすべて6月に集中します。
学校のテストの前日に、コンセルヴァトワールの作曲技法のテストがある場合は、課題の作曲のテストをするのに、一人ずつ部屋に閉じこもり延々と6時間入りっぱなしで、その翌日がドイツ語や数学のテストと言ったように、6月はすごい月でした。
それでもこれが終われば、あとはバラ色の2ヶ月間のバカンスだと思うと結構我慢が出来るのかもしれません。
では、皆さま、大分涼しくなってきたそうですが、9月もお元気でお過ごし下さい。